安全帯の規格と関連法規

安全帯を身につけていても、法律に違反した誤った使い方をしていれば、いざという時に危険が及ぶ可能性もあります。安全帯の規格やその他関連法規を理解し、正しい使い方を心がけてください。

「安全帯」の 構造・仕様などについては、"労働安全衛生法"に基づく厚生労働省告示"安全帯の規格"によって定められています。 "労働安全衛生法"は「事業者は、労働者が墜落するおそれのある場所、土砂等が崩壊するおそれのある場所等に係る危険を防止するため必要な措置を講じなければならない。」と定めています。"労働安全衛生法施行令"では、「厚生労働大臣が定める規格又は安全装置を具備すべきもの」として安全帯が明記され、実際の基準などは同法省令の"労働安全衛生規則"に、安全帯の使用について具体的に定められています。 また、"労働安全衛生法"に基づき定められた他の省令"ボイラー及び圧力容器安全規則"、"クレーン等安全規則"、"ゴンドラ安全規則"、"酸素欠乏症等防止規則"の中にも安全帯の使用を定めた条文があります。

安全帯の規格

安全帯の規格は、昭和50年労働省告示第67号で「安全帯」の 構造・仕様について初めて制定された後、平成14年厚生労働省告示第38号で、その全部を改正されました。

安全帯の規格(平成14年2月25日 厚生労働省告示第38号)

条項 記載事項 概要
第1条 定義 用語の意義について定義。
第2条 構造 “胴ベルト型安全帯”と“ハーネス型安全帯”の2種類に大別され、“胴ベルト型安全帯”は用途に応じて“1本つり専用”、“U字つり専用”、“1本つり・U字つり兼用”に分別される。
第3条 部品の強度 安全帯を構成する“ベルト”、“バックル”、“ランヤード”、“フック”など、部品ごとに強度を定めている。
第4条 材料 通常の使用状態において、前条に定められた強度を有している限り、特定の材料は定められていない。
第5条 部品の形状など “胴ベルト型安全帯”や“ハーネス型安全帯”に使用されるベルトの幅・厚み、ランヤードの最大長さなど、形状に関して定めている。
第6条 部品の接続 ベルトとバックルの接続など、部品ごとの接続に関して定めている。
第7条 耐衝撃性など U字つり専用安全帯を除き、85kgの落体(トルソーまたは砂のう)をランヤード最大使用長さ分、自由落下させた試験において、落体を保持し、かつ衝撃荷重が8.0kN以下と定めている。
第8条 表示 安全帯の種類、製造業者名および製造年月を表示することを定めている。
第9条 特殊な構造の安全帯 特殊な構造の安全帯で前条までの規定に適合するものと同等以上の性能、または効力を有するものについての適用除外認定制度を定めている。

その他関連法規

1.労働安全衛生法(昭和47年6月8日 法律第57号)

条項 概 要
第119条 第21条、第26条、第42条の規定に違反した者に対する罰則。
第21条の2 事業者は、労働者が墜落するおそれのある場所には、危険を防止する措置を講じなければならない。
第26条 労働者は、事業者が講ずる措置に応じて、必要な事項を守らなければならない。
第27条 事業者が講ずべき措置及び労働者が守らなければならない事項は、厚生労働省令で定める。
第42条 危険な場所において使用するもので、政令で定めるものは、厚生労働大臣が定める規格又は安全装置を具備していないものを譲渡、貸与、又は設置してはならない。

2.労働安全衛生法施行令(昭和47年8月19日 政令第318号)

条項 概 要
第13条 厚生労働大臣が定める規格又は安全装置を具備すべきものを制定。
28.安全帯(墜落による危険を防止するためのものに限る)

3.労働安全衛生規則(昭和47年9月30日 労働省令第32号)

条項 概 要
第575条の6 事業者は、高さ二メートル以上の作業床の端で、労働者に墜落の危険のある箇所には、手すり等を設けること。ただし、手すり等を設けることが著しく困難な場合、又は作業の必要上臨時に手すり等を取りはずす場合には、防網を張り、労働者に安全帯を使用させる等、墜落の危険を防止する措置を講じたときは、この限りでない。
第27条 事業者は、労働安全衛生法第四十二条の厚生労働大臣が定める規格又は安全装置を具備したものでなければ使用してはならない。
第142条 事業者は、転落する危険がある粉砕機及び混合機の開口部に、ふた、囲い、さく等を設けることが困難な場合において、労働者を使用させて転落の危険を防止するための措置を講じなければならない。
また、労働者は、安全帯の使用を命じられたときは、これを使用しなければならない。
第194条の22

事業者は、高所作業車を用いて作業を行うときは、当該高所作業車の作業床上の労働者に安全帯を使用させなければならない。
また、労働者は、安全帯を使用しなければならない。

第247条 事業者は、型枠支保工の組立て等作業主任者に対し、作業中、労働者の安全帯及び保護帽の使用状況を監視させなければならない。
第360条 事業者は、地山の掘削作業主任者に、作業中、労働者の安全帯及び保護帽の使用状況を監視させなければならない。
第375条 事業者は、土止め支保工作業主任者に、作業中、労働者の安全帯及び保護帽の使用状況を監視させなければならない。
第383条の3 事業者は、ずい道等の掘削等作業主任者に、作業中、労働者の安全帯及び保護帽の使用状況を監視させなければならない。
第383条の5 事業者は、ずい道等の覆工作業主任者に、次の事項を行わせなければならない。
・器具、工具、安全帯及び保護帽の機能を点検し、不良品を取り除くこと。
・安全帯及び保護帽の使用状況を監視すること。
第404条 事業者は、採石のための掘削作業主任者に、作業中、労働者の安全帯及び保護帽の使用状況を監視させなければならない。
第514条 事業者は、林業架線作業主任者に、作業中、労働者の安全帯及び保護帽の使用状況を監視させなければならない。
第517条の5 事業者は、建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者に、次の事項を行わせなければならない。
・器具、工具、安全帯及び保護帽の機能を点検し、不良品を取り除くこと。
・安全帯及び保護帽の使用状況を監視すること。
第517条の9 事業者は、鋼橋架設等作業主任者に、次の事項を行わせなければならない。
・器具、工具、安全帯及び保護帽の機能を点検し、不良品を取り除くこと。
・安全帯及び保護帽の使用状況を監視すること。
第517条の13 事業者は、木造建築物の組立て等作業主任者に次の事項を行わせなければならない。
・器具、工具、安全帯及び保護帽の機能を点検し、不良品を取り除くこと。
・安全帯及び保護帽の使用状況を監視すること。
第517条の18 事業者は、コンクリート造の工作物の解体等作業主任者に、次の事項を行わせなければならない。
・器具、工具、安全帯及び保護帽の機能を点検し、不良品を取り除くこと。
・安全帯及び保護帽の使用状況を監視すること。
第517条の23 事業者は、コンクリート橋架設等作業主任者に、次の事項を行わせなければならない。
・器具、工具、安全帯及び保護帽の機能を点検し、不良品を取り除くこと。
・安全帯及び保護帽の使用状況を監視すること。x
第518条

事業者は、高さが二メートル以上の箇所で作業を行なう場合、労働者に墜落の危険があるときは、足場を組み立てる等の方法により作業床を設けなければならない。
作業床を設けることが困難なときは、防網を張り、労働者に安全帯を使用させる等、墜落の危険を防止するための措置を講じなければならない。

第519条 事業者は、高さが二メートル以上の作業床の端、開口部等で労働者に墜落の危険のある箇所には、囲い、手すり、覆い等を設けなければならない。
囲い等を設けることが著しく困難なとき又は作業の必要上臨時に囲い等を取りはずすときは、防網を張り、労働者に安全帯を使用させる等、墜落の危険を防止するための措置を講じなければならない。
第520条 労働者は、第518・519条の場合において、安全帯等の使用を命じられたときは、これを使用しなければならない。
第521条 事業者は、高さが二メートル以上の箇所で作業を行なう場合において、労働者に安全帯等を使用させるときは、安全帯等を安全に取り付けるための設備等を設けなければならない。
事業者は、労働者に安全帯等を使用させるときは、安全帯等及びその取付け設備等の異常の有無について、随時点検しなければならない。
第526条

事業者は、高さ又は深さが一・五メートルをこえる箇所で作業を行なうときは、当該作業に従事する労働者が安全に昇降するための設備等を設けなければならない。
労働者は、安全に昇降するための設備等が設けられたときは、当該設備等を使用しなければならない。

第532条の2 事業者は、ホッパー又はずりびんの内部その他土砂に埋没すること等により労働者に危険を及ぼすおそれがある場所で作業を行わせてはならない。ただし、労働者に安全帯を使用させる等、当該危険を防止するための措置を講じたときは、この限りでない。
第533条 事業者は、労働者が転落して、火傷、窒息等の危険を及ぼすおそれのある煮沸槽、ホッパー、ピット等があるときは、丈夫なさく等を設けなければならない。ただし、労働者に安全帯を使用させる等、転落による危険を防止するための措置を講じたときは、この限りでない。
第552条2 第552条四号の規定は、作業の必要上臨時に手すり等又は中桟等を取り外す場合において、次の措置を講じたときは適用しない。
・安全帯を安全に取り付けるための設備等を設け、かつ、労働者に安全帯を使用させる措置又はこれと同等以上の効果を有する措置を講ずること。
第563条 事業者は、足場(一側足場を除く。)における高さ二メートル以上の作業場所には、次に定めるところにより作業床を設けなければならない。
墜落により労働者に危険を及ぼすおそれのある箇所には足場の種類に応じて、「足場用墜落防止設備」を設けること。
作業の性質上足場用墜落防止設備を設けることが著しく困難な場合又は作業の必要上臨時に足場用墜落防止設備を取り外す場合において、安全帯を安全に取り付けるための設備等を設け、かつ、労働者に安全帯を使用させる措置又はこれと同等以上の効果を有する措置を講じたときは適用しない。 労働者は、安全帯の使用を命じられたときは、これを使用しなければならない。
第564条 事業者は、足場材の緊結、取りはずし、受渡し等の作業にあっては、墜落による労働者の危険を防止するため、次の措置を講ずること。
・幅四十センチメートル以上の作業床を設けること。ただし、当該作業床を設けることが困難なときは、この限りでない。
・安全帯を安全に取り付けるための設備等を設け、かつ、労働者に安全帯を使用させる措置を講ずること。ただし、当該措置と同等以上の効果を有する措置を講じたときは、この限りでない。
・労働者は、安全帯の使用を命ぜられたときは、これを使用しなければならない。
第566条 事業者は、足場の組立て等作業主任者に、次の事項を行なわせなければならない。
・安全帯及び保護帽の使用状況を監視すること。

4.ボイラー及び圧力容器安全規則(昭和47年9月30日 労働省令第33号)

条項 概 要
第16条 事業者は、ボイラーの据付けの作業を行うときは、当該作業の指揮者を定め、その者に安全帯、その他の命綱及び保護具の使用状況を監視させなければならない。

5.クレーン等安全規則(昭和47年9月30日 労働省令第34号)

条項 概 要
第191条 事業者は、建設用リフトの組立て又は解体の作業を行なうときは、作業を指揮する者を選任して、作業中、安全帯等及び保護帽の使用状況を監視すること。
第27条 事業者は、作業の性質上やむを得ない場合、又は安全な作業の遂行上必要な場合は、クレーンのつり具に専用のとう乗設備を設けて、当該とう乗設備に労働者を乗せることができる。
事業者は、とう乗設備について、労働者の墜落の危険を防止するため、労働者に安全帯、その他の命綱を使用させること。
労働者は、安全帯等の使用を命じられたときは、これを使用しなければならない。
第33条 事業者は、クレーンの組立て又は解体の作業を行なうときは、作業を指揮する者を選任して、作業中、安全帯等及び保護帽の使用状況を監視すること。
第73条 事業者は、作業の性質上やむを得ない場合、又は安全な作業の遂行上必要な場合は、移動式クレーンのつり具に専用のとう乗設備を設けて、当該とう乗設備に労働者を乗せることができる。
事業者は、とう乗設備については、労働者の墜落の危険を防止するため、労働者に安全帯等を使用させること。労働者は、安全帯等の使用を命じられたときは、これを使用しなければならない。
第75条の2 事業者は、移動式クレーンのジブの組立て又は解体の作業を行うときは、作業を指揮する者を選任して、作業中、安全帯等及び保護帽の使用状況を監視すること。
第118条 事業者は、デリックの組立て又は解体の作業を行なうときは、作業を指揮する者を選任して、作業中、安全帯等及び保護帽の使用状況を監視すること。
第153条 事業者は、屋外に設置するエレベーターの昇降路塔又はガイドレール支持塔の組立て又は解体の作業を行なうときは、作業を指揮する者を選任して、作業中、安全帯等及び保護帽の使用状況を監視すること。

6.ゴンドラ安全規則(昭和47年9月30日 労働省令第35号)

条項 概 要
第17条 事業者は、ゴンドラの作業床において作業を行うときは、労働者に安全帯、その他の命綱を使用させなければならない。
つり下げのためのワイヤーロープが一本であるゴンドラの場合は、安全帯等は当該ゴンドラ以外のものに取り付けなければならない。
労働者は、安全帯等の使用を命じられたときは、これを使用しなければならない。

7.酸素欠乏症等防止規則(昭和47年9月30日 労働省令第42号)

条項 概 要
第6条 事業者は、酸素欠乏危険作業に労働者を従事させる場合で、労働者が酸素欠乏症等にかかって転落するおそれのあるときは、労働者に安全帯、その他の命綱を使用させなければならない。
事業者は、安全帯等を安全に取り付けるための設備等を設けなければならない。
労働者は、安全帯等の使用を命じられたときは、これを使用しなければならない。
第7条 事業者は、安全帯等を使用させて酸素欠乏危険作業に労働者を従事させる場合には、その日の作業を開始する前に、当該空気呼吸器等又は当該安全帯等及び設備等を点検し、異常を認めたときは、直ちに補修、又は取り替えなければならない。